30代後半の頃の話です。20代前半で交際していた人がいました。恐らく私達はソウルメイトだと思うのですが、とにかく一緒にいると居心地が良い関係でした。大好きでした。お互いがお互いを必要としていました。でも、本人達の意思とは反するところで、別れざるを得なければならなくなりました。いわゆる家庭環境の相違による家族の反対です。最後は引き離されたような形でしたので、きちんとお別れができませんでした。そのような別れでしたので、お互いずっと引きずり続けました。その後、新しい恋人は何人もできましたが、辛くなると思い出したり、心のどこかにいつも彼がいました。相手も同じ気持ちだったと思います。でも、家族を選んだ相手の気持ちは変わりませんでした。数年に一度だけ電話をする関係が約15年続きました。何度も会おうという話にもなりましたが、そこは何となく会うべきではないという思いが私にはあり、一度も会うことはありませんでしたが。最後の電話は7年ぶり。相手から連絡がありました。しかし、あまりにも自己中な内容で、私の中で今までとは違う想いが生まれました。相手のいい加減さに何かが吹っ切れたのです。私自身がようやく成長したのかもしれません。所謂悲恋でしたので、きっと思い出が美化されていたのもあるでしょう。全く嫌いにはなれませんが、もうこれ以上中途半端に関わりたくないという想いが芽生えました。今まではどうしても忘れられない、だったのに。今度こそキレイさっぱり縁を切りたいと思いました。でも、きっと同じことの繰り返しになるので、相手を怒らせて、私の事を嫌いになってもらおうと思いました。十数年分の想いや不満、文句をここぞとばかりに言いました。プライドの高い人なので、間違いなく怒るだろうと思いました。それが狙いでした。そして、その通りになり、相手は謝るどころか逆ギレ。私に対して色々と暴言を吐きました。そのまま電話は終わり、それ以降2年経ちますが一切連絡はありません。あんなに忘れられなかったのに、最後の暴言で完全に冷めた私はビックリするくらい思い出すことがなくなりました。結局二度も悲しい別れになりました。最後に喧嘩をふっかけた私の本心に、もしかしたら相手も気付いたかもしれません。この長い年月を引きずった事を後悔はしていません。でも、縁が切れて本当に良かったと思います。