30代後半の営業職にある男です。今まで何度か別れを経験してきましたが、その中でも一番印象に残っていたのが20代後半に1年間つきあっていた方でした。恐らく今までの中で一番好きだった彼女でした。当時、福岡に支店がある出版業界の会社で契約社員として働いていましたが、1年遅れて入ってきたのが彼女でした。顔がタイプというわけでも特別美人だったわけでもない彼女になぜ惹かれたのか、たぶん生理的にガッチリハタったというのが表現的にあっています。当時彼女には相手がいましたが、お互いに惹かれあった結果付き合いはじめました。結局1年で別れてしまうことになりますが、その短い間でも別れとくっつきを何度か繰り返しました。それぐらい大きくぶつかれる相手でした。これはそれまでの人生でも、その後の人生でも感じたことがない感情でした。最終的な別れの経緯は、私が実家の稼業を継ぐために福岡を離れなければならなかったことです。短い間に何度も別れを経験していたことに飽き飽きしていたのかもしれません。実家は隣の県でしたので、遠距離恋愛というほどの距離でもありません。だからまた復縁ができたのかもしれません。しかし当時の私にはそんな忙しい1年間をまた続ける覚悟がありませんでした。スマホのデータを消し、一切の連絡を絶ちました。あれから10年弱、後悔していることはいっぱいあります。なぜあの時になどということは考えませんが、一生に一度の出会いだったかもしれないと思うことはしばしばあります。過去を振り返ることは苦しくて、今の自分をないがしろにしがちです。人生が思い通りにすべて経過するなんて人がいたら逆に気持ち悪いです。人との出会いとなると自慢も後悔も十人十色で、年齢によって感じ方も違います。20代や30代では人生の経験値が少ないので迷うことは多くなりますが、あの時の決断が本当に最適だったのか、後で振り返った時によく悩んだと思える過程が欲しいものです。