これからする話は、嘘のような本当の話。私が24歳から31歳になるまで、7年間付き合っていた男性に、実は奥さんが居たということが別れてから発覚したという大事件が起きたの半年前。この時点で結構パンチの効いた話だとは思いますが、実はこれには続きがあります。奥様が居たということは風の噂で聞いたのは、前述したとおり彼と別れてからすぐでした。遠距離恋愛だった彼とは、会う頻度も二週間に一度ほど。確かにお互い浮気相手だったとしても、どうにか頑張れば嘘をつける付き合い方だったかもしれません。しかし、不器用そうに見えた彼にまさかそんな大きな嘘がつけるわけない!と、その噂話に対しても半信半疑は私。しかし、後々彼の周りの友好関係を掘り下げるほどに、それが真実だという確信を得ることになりました。その後、「別れた後だからといって泣き寝入りするのはおかしいよ!」「いかなる形かできちんと謝罪させた方が良い!」とたくさんの人に焚き付けられた私は、真実を知っても尚口を閉ざしているあいつにとって都合の良い女にはなりたくない!と思い、真実のほどを暴露させ、そしてきちんと謝ってもらおうと行動しました。弁護士曰く、法律上、いくら自分が知らなかったからといってやはり私は単なる浮気相手。奥様の立場のほうが確実に強いし、裁判などおこしても費用をペイできないだろうとのこと。正攻法で攻めると損をすると踏んだ私は、彼の周りの知り合いに協力してもらい、彼をギャフンと言わせることに。しかし結果は意外にあっけらかんとしたものでした。別れて1ヶ月が経った頃、彼に直接電話をかけ、その様子を全て録音しました。意図的に奥様の存在を隠し、私をだまし続けて付き合っていたこと、おまけに指輪まで渡してきたり、プロポーズまでしてきたこと。全部どういうつもりだったのか説明させました。そして「今さら情も何もないのでお金で解決してください」と言い放ちました。彼も、この事態がまわりにバレるのが怖く、ましてや奥様にバレるのも怖かったのでしょう。毎月10万円ずつ慰謝料として私に振り込むと宣言。最初の2ヶ月は、約束通り振り込まれていました。しかし、私としては新たな問題が。通帳に振り込まれることで、彼の名前を毎月確認するという作業が増えました。2ヶ月目に突入し、きちんと名前の刻まれた通帳をみて、ふと「いつまでこうやって彼の名前をみる羽目になるのか」と不安になりました。お金を振り込まれることで、何だか彼に縛られているような気にもなる。そんな10万円に、何だか損しか感じなくなったんです。馬鹿馬鹿しい!もう次の恋愛をしよう!全部忘れよう!そう決心し、彼に「今後振込は結構です。これで本当に縁が切れます。さようなら。」と連絡しました。その瞬間ふと肩の荷が下り、新しい恋への意欲がわいた気分がしました。不必要な縁を切るって、こんなに気持ちいいんだと実感したエピソードです。